にんじんはなんといっても豊富なカロテンが特徴で、カロテンの中でもベータカロテンを多く含んでいます。ベータカロテンのさまざまな効能の中で最大のものは、多くの生活習慣病の元凶であるとされる活性酸素を消去する働きがあります。人間が呼吸によって体内にとり込んだ酸素のうち、ストレスやタバコ、酒、紫外線などによって約2%が活性酸素になります。
通常増えすぎた活性酸素は体内の酵素反応によって除かれますが、その過程で消去されずに残った活性酸素は体の遺伝子を傷つけたり、コレステロールを酸化させて過酸化脂質に変えたりします。その結果、遺伝子が変異したり過酸化脂質が血管にこびりつき、ガンや動脈硬化を引き起こすのです。ベータカロテンはその抗酸化力によりこの活性酸素の増加を抑えるのです。また最近の研究ではベータカロテンがガン遺伝子そのものの発生を抑える働きもあることがわかってきました。
またベータカロテンはその抗酸化力により水晶体が白く濁り、視力が低下する白内障を予防する事も可能です。体内では必要に応じてベータカロテンがビタミンAに変わり、夜盲症や眼精疲労にも効果を発揮します。
にんじんにはカリウム、カルシウムも多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄して血圧を下げる働きがあり、また体内の水分量を調節してむくみを解消する働きがあります。カルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防に効果があります。
にんじんにはビタミンCを破壊する酵素が含まれているので、ビタミンCの多い食材と混ぜる時は、加熱するか酢をかけて酵素の働きを抑える必要があります。またベータカロテンは脂溶性のビタミンであるので、油と合わせて調理する事で体内の吸収率を上げることができます。
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