今や痛風は身近な生活習慣病
高尿酸血症や痛風は戦前の日本ではめったに見られない病気でした。ところが高度経済成長期以降、日本の食生活の欧米化に伴い患者数は次第に増え続け、今では身近な生活習慣病の1つになっています。
尿酸とは体の中でさまざまな物質が燃焼してエネルギーを発生させたあとにできる燃えカスのようなものです。水に溶けにくい物質で血液中には7mg/dLまでは溶けますが、それを超えると結晶として析出したり血液をドロドロにする原因となります。このように血液中の尿酸値が常に7mg/dL以上の状態を高尿酸血症といい、析出した尿酸結晶により起きる炎症が痛風発作です。高尿酸血症は動脈硬化を進め、虚血性心疾患や脳梗塞、腎障害を起こす原因にもなります。高尿酸血症には以下の3つのタイプがあります。
○ 排泄低下タイプ 日本人に一番多いのがこのタイプで、腎臓からの尿酸排泄量が少なくなることで尿酸プールがあふれてしまうものです。高尿酸血症の60%を占めています。
○ 産生過剰タイプ 尿酸の排泄機能は正常だが、尿酸が過剰に作られてしまうために尿酸プールがあふれてしまうタイプです。高尿酸血症の12%を占めています。
○ 混合タイプ
排泄低下タイプと産生過剰タイプの混合型です。高尿酸血症の25%を占めています。
尿酸値を下げるには、まず第一に生活習慣を改める事です。高尿酸血症の背景には偏った食生活や運動不足があり、多くの患者さんが糖尿病や肥満などの生活習慣病を合併しています。飲酒は腎臓からの尿酸の排泄を抑える働きがあるので、アルコールの摂取はできるだけ少なくする必要があります。
また尿酸の排泄を促し結晶化を防ぐためにもこまめに水分を摂るようにしましょう。運動不足や激しい運動、ストレスなどは尿酸値を増加させる原因となります。適度な運動とストレス解消を心掛けることが大切です。
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