血液の役割
人が生命活動を営むには体中の細胞に酸素と栄養を送らなければなりません。また体中から排出される老廃物の回収も行わなければなりません。これらの働きを担っているのが血液です。体内を流れる血液の量は体重の約13分の1(約7.5%)に当たります。体重50kgの人には約3.8Lの血液があり、それが心臓の鼓動により体内をくまなく循環しています。
血液はまず心臓から大動脈へ送られ、ここから次々と枝分かれした動脈を通って、網の目のように広がった毛細血管の先端までたどり着きます。ここからは静脈を通って同じような経路で心臓まで戻ります。この過程で血液は酸素や栄養分を体内の細胞に運び、細胞内でエネルギーを発生させて、二酸化炭素や老廃物をそれぞれの排泄機関に送り届けながら心臓に戻ってきます。したがって、酸素が血液によってうまく運ばれないと、酸素欠乏になった部分になんらかの症状が現れてきます。これが貧血症状の原因でもあります。
血液には血球と血漿がある
血液を試験管に入れてしばらく放置すると、黄色い上澄み液と赤い沈殿物に分かれます。この上澄みを「血漿」、下にたまった方を「血球」といいます。その割合は血漿が55〜60%、血球が40〜45%です。
血球には赤血球、白血球、血小板という3種類の細胞があり、血液1μl当たり、赤血球は450〜550万個、白血球は4000〜1万個、血小板は15〜45万個含まれています。それぞれに重要な役割を担っており、赤血球は全身に酸素を運ぶという生命の根幹ともいえる役割、白血球は免疫システムとして体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体と戦い、私たちの体を外敵の攻撃から守ってくれます。血小板はケガなどで血管が傷ついた時にその損傷部位からの出血を止める働きをしています。
血漿の役割は食物から消化分解された栄養分やホルモン、ミネラルなどを体内の血管内を循環させて全身に運ぶ事です。それと同時に老廃物を受け取って排泄します。もちろん血球を全身に運ぶ役割も担っています。血漿の約90%は水分でできており、そのほかにタンパク質や脂質、糖質やミネラル、ホルモンや酵素などを含んでいます。
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