ユズは日本料理の彩りや香り付けに欠かせないものですが、実は栄養的にもすばらしい食材です。ユズといえばその独特のさわやかな香りですが、この香りのもととなるシトラールやリモネンなどのユズ特有の精油成分は血管を刺激し、血行を促進する作用があります。また果皮内側の薄皮には毛細血管の壁を丈夫にするビタミンPが含まれています。ビタミンPは心臓の冠動脈を拡張させるため、血圧を下げる働きもあります。
酸味が強いユズには、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸類が豊富に含まれています。なかでもユズ果汁の5%を占めるクエン酸は疲労のもととなる乳酸が筋肉に蓄積するのを防ぐ働きがあります。歳をとると乳酸が筋肉に残りやすく疲れがちになりますが、そんな人の疲労回復はもちろん、肩こりや筋肉痛の予防にも効果を発揮します。
運動で消耗したグリコーゲンを再補充する働きもあり、肝臓病などの改善にも役立ちます。また実には抗酸化作用をもつビタミンCも豊富に含まれています。
種子の周りのヌルヌルは、水溶性の食物繊維であるペクチンです。ペクチンはブドウ糖の吸収を緩やかにし、食後の急激な血糖の上昇を抑える働きがあります。またコレステロールを原料としている胆汁酸を腸内で吸着し排泄することで、コレステロールを下げる働きがあります。 |
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