牛乳にはタンパク質とカルシウムが豊富に含まれています。タンパク質の構成要素となるアミノ酸には人の身体では合成することのできない必須アミノ酸9種類をバランスよく含んでおり、タンパク質の栄養価を表すアミノ酸スコアは卵と同じく満点の100です。
牛乳のタンパク質の8割がカゼインと呼ばれるタンパク質です。カゼインは体内で分解されてペプチドになり、カルシウムの吸収を助けたり、免疫機能を強化したりします。牛乳にはカルシウムが豊富に含まれているので、吸収効率が高まってより効果を発揮するのです。
カルシウムには神経を鎮静させ、気分をリラックスさせる副交感神経を正常化する働きもあるので、カルシウムをしっかり摂取することで、ストレスや不眠症などを解消するのに役立ちます。ストレスは血液の流れを悪くする原因のひとつです。
ストレスを感じると自律神経の働きによりアドレナリンなどのホルモンが血液中に分泌されます。すると心臓の働きが活発になるほか、血管が収縮するため血圧が上昇します。また、アドレナリンの作用により血球も活発化して血液の粘度を増し、ドロドロ血液の原因にもなるのです。
また牛乳に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の増殖を助け、悪玉菌が増えるのを防ぐ働きがあります。つまり牛乳には腸内環境を整えて、腸を健康な状態に保つ働きがあるのです。腸の調子が整えば、大腸がんの予防にもなるほか、コレステロールの排出効果も高まります。
このほか牛乳にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。皮膚や粘膜を健康に保つ動物性ビタミンAのレチノール、脂肪やタンパク質のエネルギー代謝を促進するビタミンB2、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどが含まれています。また胃粘膜を保護し炎症を抑える働きがあるので、胃潰瘍の予防にも効果があります。 |
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