ここ数年イワシなどの背の青い魚の健康効果が話題になっています。イワシは良質な脂質に富んでおり、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、オレイン酸やパルミチン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
DHAは脳の神経細胞に含まれている物質で、脳機能や神経組織の情報伝達を活性化する働きがあります。「頭がよくなる」として一時期話題になったのはこのためです。このほか、体質を改善してアトピー性皮膚炎にも効果があるとされています。
またEPAには血栓を溶かし血管を拡張する働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の予防と改善に効果があります。イワシはEPAの含有量が魚介類の中でもトップクラスです。
最近さらに注目されているイワシの薬効成分として、イワシのペプチドがあります。ペプチドとはアミノ酸の分子が二つ以上つながった物質のことで、このペプチドがたくさん結合するとたんぱく質になります。
イワシのペプチド効果としては、高血圧の改善があります。私たちの血液の中には血圧の上昇を調節しているアンジオテンシンという物質があります。アンジオテンシンにはTとUがあり、TがUに変化すると強い血圧上昇効果を発揮します。このTからUへの変化にはACE酵素というものが関わっていますが、このACE酵素をイワシのペプチドが阻害することで血圧の上昇を防ぐのです。
またイワシのペプチドには抹消血管の血流を促進するはたらきもあり、まさに血液サラサラ食材といえます。 このほか、歯や骨を丈夫にし骨粗しょう症を防ぐカルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含んでいます。 |
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